AMBIENT GARDEN

1980年代の磐越西線と山都町の周囲のこと

飯豊道

 僕はあまり本を読みません。
 ホントは読書はとても大切なのかもしれないけど、昔からそんな習慣が無かったのだと思います。
 そんな僕ですが、昔から何度も何度も読み返している本があります。その本は飯豊に魅せられ生涯を飯豊に捧げた岳人、故五十嵐篤雄氏の「飯豊道」という飯豊登山のエッセイ集なのです。
 この本、単なる山岳紀行&エッセイと思いきや、読めば読むほど極上スルメや根室昆布以上のダシが延々と出てくる希有な好書で、主に著者が少年から青年にかけて(戦前・戦後)登った飯豊の様子、当時の世相や飯豊山麓の町の情景、物資がない時代での工夫、たき火、山中での仮小屋作り、山中での食事、マタギ、“山や”同士の友情、などが飾りっけのないシンプルな言葉で著わされ、登山というよりもはや飯豊の探検をしている永遠なる山少年の日記のようで、まるで自分が霊峰飯豊のお花畑を歩いているような錯覚に陥ります。
 こんな人に飯豊に連れて行ってもらって、その夜は小屋でたき火を囲みながら飯豊の昔話を聞いてみたいな、と思います。
 

Home