AMBIENT GARDEN

1980年代の磐越西線と山都町の周囲のこと

七月七日に感じた山都

 ウナギの産地を決める場合、そのウナギが一番長く養殖された場所であるとテレビで知った。これを僕に置き換えると一番長く住んでいたのが山都町ということなので僕の産地は山都産になります。そんな僕の産地である山都町に関して書けと言われたら、「もう書かなくて結構です」と言われるまで延々と書けそうなので今回は短めにいたしますけど、山都町最大の魅力は山都というその地名にあると思います。
 例えば海外に行ったときに
 「どこから来た?」
 と聞かれて僕は何の迷いもなく
 「Yamato」
 と答えており、
 「そんな国がアジアにあったっけ?」
 と驚いた顔をしていたジョージとアントニオがいまだに忘れられません。
 また日本国内では一部のコアな人以外は山都町なんて名前を知らなくて、だいたいの人は「大和」という文字を連想している人が多く、
 「いえいえ、やまととは山の都と書くのですよ」
 と講釈を語ると、
 「素敵な名前ですね。まさに京の都に山の都も負けず劣らずですね」
 などと感心されて、まるで僕自身が褒められたような気分になってしまい、そんな自分の愛町精神ぶりに呆れるのであります。
 さらに過去の耶麻郡山都町という住所の語感がとても評判が良かったのが思い出されます。
 そうそう、熊本県では矢部町、清和村、蘇陽町が合併して、新たな「山都町」が誕生しているので、自治体として山都町を名乗れる熊本県山都町の人たちが羨ましいような気がします。
 そんな山都町の魅力にもうひとつ付け加えるとすれば、町の中に過剰な照明がないところであると思うのです。
 先日はライトダウンなんてイベントがあちこちで行われましたが、だいたいこのエリアが常にライトダウンが通常設定モードとなっておりまして、あ、そう言えば小学校の時、友達のMK君の家に遊びに行くと、MK君のおばあちゃんに
 「電気が点いたので家に帰る時間ですよ」
 と言われたことがあって、学研の電子ブロックというおもちゃ遊びを中途半端で止めさせられて悪態をついていた記憶が蘇ってきたのですが、「電気が点く」という言葉はとても広くて奥が深いものだなぁと感心しております。
 あ、話が脱線してしまいましたので軌道を修正いたしますが、山都町の夜はまるで目隠しをしているように感じ、先日の蛍狩りのときも、最初は真っ暗闇で何も見えないのだけれど、除々に目が暗闇に慣れてきた瞬間に、
 「あー、自分の体が自然モードになってきた!」
 と気づき、ほのかな蛍光、梅雨雲の向こうの二等星、完成した水墨画に過って墨をこぼしちゃって失敗したけどなんとか山であることが確認できるぐらいのぼんやりとした山のシルエット、などが浮かんでくるのであります。
 この他にも山都町の魅力はたくさんあると思いますので、みなさんも勝手に山都遺産を発見してみてはいかがでしょうか。

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