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いいでのゆ

 敬老の日でした。そして今夜は満月です。



 観月露天風呂でもしようと思い、ひさしぶりに「いいでのゆ」に行ってきた。
 いつもは洲走温泉ばっかりなのでたまには地元貢献をする。
 温泉には僕以外二名が居たけど、ちょっとメタボのおじさんが、
 「この源泉、飲めるのかい?」
 と声をかけてきた。
 「飲んでも死なないと思いますよ」
 「ガハハ。じゃ、飲まんほうがいいな」

 それがきっかけでポツポツと話が続いた。
 おじさんは埼玉の人で、喜多方の親戚の法事に出席してきたと言う。

 「このへん、釣りはどう?」
 「山都はそばが有名なんでしょ?」
 「喜多方のラーメンは肉が多くてね、おじさんみたいなメタボにはちょっとキツいわ」
 おじさんは縁石に腰掛けて出っ張ったお腹をさすりながら、
 「あー、たまには、こうして知らない人と話すのもいいなぁ」
 と夜空を見上げながら言った。

 ちょっぴり秋風が気持ちよい露天風呂で僕らはそんな会話を三十分ほどしていた。
 僕が先に湯から出ようとすると、
 「じゃ、俺もそろそろ上がろうかな〜」

 湯を出てロビー兼売店の椅子でくつろいでいると、首からタオルをかけている浴衣姿のおばさんと子供が二階から降りてきた。
 「あの人、長湯できないのに、遅いわねー」
 すると浴室のほうからすっかりゆでダコになったさっきのおじさんがやってきた。
 「いやー、いい湯だったよ」
 「っもう。長湯しない人だからお湯の中で死んでいるかと思ったわよ!」 
 「ガハハ、ちょっと長湯しすぎたな」
 「お父さん、何かジュースでも飲む?」
 「あー、俺はいいや。これからポン酒をキューーーっとな!」
 「もう、お父さんたらさっきから飲み過ぎよ。お腹出るわよ」
 「あ、だいじょーぶ。長湯したから水分補給しなきゃ」

 僕が温泉を出るとき、おじさん家族は宿泊施設のある二階へ上がろうとしていた。
 そのときおじさんと目が合うと僕に向かって小さく手を上げた。

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 ここは午後五時以降、入浴料が五百円から三百円になるので狙い目です。

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 売店では地の野菜とか加工品とか並んでいます。それもいいのですが、特筆すべきは、ここの食堂のソフトクリームです。問題があるほどおいしいです。
 今夜は時間が遅かったので食べれませんでした。ざんねん。

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