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円高

 午前中友達が家にやってきて、僕の母を車に乗せてわざわざ日用品の買い物に連れて行ってくれた。僕は買い物には行かず部屋のパソコンでiTunesというソフトで音楽を試聴していたら、ずっと好んで聴いているギタリストの新しいアルバムが発売されていることを知った。
 僕は音楽を聴くのが割と好きでジャンルや年代を問わずCDやレコードを頻繁に買っていた。でもここ数年はじっくり音楽を聴こうという気分にもなれないほど仕事でテンパっていて、CDやレコードをじっくり聴こうというより部屋中に溢れるCDやレコードをどうにかしたいなーと思っていた。結局一大決心をしたのが数年前の年末で、溜まりに溜まったCDやレコードを少しずつ減らしていった。最初はリサイクルショップに持って行ったけど自分の物に他人に値段を付けられるのがいやだったことと、今までの自分の消費行動をちょっと真剣に考えてみようと思ってリサイクル工場に持ちこみ、自分が買ったCDやレコードが重機で粉々にされて新たな素材になるのを黙って見ていた。正直、「スッキリした」「失敗した」というふたつの感情が強烈に入り交じったけど、目の前で粉々になったCDやレコードを見た僕はよほど懲りたのか、これから後先をきちんと考えて買い物をしようと思った。
 前置きが長くなってしまったけど、僕はそんな経験をしたので買い物に対してはかなり慎重になっていた。でも冒頭に登場したギタリストの曲は試聴して3秒で買おうと思った。しかもダウンロードではなくCDで。CDは国内の通販では扱っていないらしく久々に米国のサイトで買った。送料がかかるのは仕方ないけど円高のお陰で思ったより安く購入でき、久しぶりに買い物をしたので今から届くのが楽しみ。きっとこの土地の秋冬の景色に合う音楽だと思う。
 通販の買い物を終えてパソコンの電源を切ったら友達と母が帰ってきた。友達がやけに重そうな段ボール箱を持っているなと思ったら、なんと僕のためにコントレックスの水を買ってきたらしい。「円高で一本あたりの値段がかなり安い」と母は言っていた。

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